肌寒くなってくると、体の温まる鍋物を食べたくなりますよね?
というわけで・・・
晩秋から冬にかけてが旬で肝が大きくなる「鮟鱇(あんこう)」を使って「あんこう鍋(どぶ汁)」を作っていきます。
あんこう鍋と一言で言っても、醤油仕立て、味噌仕立てなどがありますが、肝を炒めて味噌を溶かし込んで煮たものが「どぶ汁」(作り方は様々ある)です。
地方によって食文化や調味料が違うのも面白いですよね。
アンコウのさばき方については、下記の動画を見ると分かりやすいと思うので見てみてください。
家庭では、吊してから切るのは難しいと思うので、まな板の上で普通に捌いてみました。
しかし、アンコウは見た目がグロテスクですよね。
アンコウ(鮟鱇[1]、華臍魚)とは、第1義には、アンコウ目中の、アンコウ科に分類される魚の日本語における総称である。しかし、アンコウ目全体をも指す。また、アンコウ科の中でも特に食用とするものだけを指す場合もある[注 1]。※本項は、古来の日本語でいう「あんこう」と、分類上の「アンコウ科」について解説する。
「アンコウ科」と結果的同義と言える英語としては goosefish と monkfish があり、日本語「アンコウ」の第1義とも同義と言える。英語には anglerfish という語もあるが、こちらはより広く「アンコウ目」および日本語最広義の「アンコウ」と同義と言える。
特徴
日本では、キアンコウ(ホンアンコウ)とアンコウ(クツアンコウ)が主な食用の種である。両種は別の属に分類されているが、外見は良く似ている。そのため、一般に市場では区別されていない[4][5]。外見的な特徴は頭部が大きく幅が広いこと。体は暗褐色から黒色で、やわらかく平たい。
出典:wikipedia・・・アンコウ
「見た目の悪い魚ほど美味しい」と言われる代表格なのではないでしょうか?
まな板が60センチ×30センチなので、70センチほどの大きさです。
アンコウの歯は鋭いので気をつけて捌いてください。
魚を捕らえたら逃げられそうもありません。
かなり大きな魚でも丸呑みにしてしまいます。
下あごの内側にある糸のような物をユラユラさせて、エサと勘違いしておびき寄せられた魚を待ち伏せして捕食します。
頭部には釣り竿のような「誘因突起(イリシウム)」があり、先端にある「擬餌状体(エスカ)」で魚を誘っておびき寄せています。
アンコウは釣りが上手いのでしょうね。
それでは、捌いていきましょう。
詳しいさばき方については、冒頭にある動画を見てください。
口の内側にも「咽頭顎(いんとうがく)」といわれる歯があるので気をつけてください。
このように、膜に切り込みを入れて上下に4つある歯を取り除いていきます。
残したまま調理すると、食べるときに怪我をするかもしれないので取り除いてください。
アンコウの寄生虫?アニサキスとシュードテラノーバは要注意!
気持ち悪いかもしれませんが、寄生虫についても大事な事なので説明しておきます。
アニサキスとシュードテラノーバは、食中毒の危険性があるので死滅させてください。
ただし、アニサキスアレルギーがある方は、死滅した物を食べてもアレルギー反応があるので注意が必要です。
「アンコウにいる主な寄生虫と対策」
- アニサキス:白色透明の糸状「中心温度60度以上で1分以上の加熱」「中心温度マイナス20度以下で24時間以上の冷凍」で死滅する
- シュードテラノーバ:茶褐色の糸状でアニサキスよりも大きい「中心温度60度以上で1分以上の加熱」「中心温度マイナス20度以下で24時間以上の冷凍」で死滅する
- 微胞子虫(びほうしちゅう):人体には寄生しないので無害
背骨の周りにあるツブツブ状の物は「微胞子虫(びほうしちゅう)」です。
取り除くか加熱すれば食べても人体には寄生しないので無害ですが、見た目が気持ち悪いのと食欲が失せるので全て取り除きました。
三枚おろしにしても両側の身に残ります。
骨抜きなどで簡単に取れます。
中骨も使うので同様に取り除きました。
綺麗に掃除した状態です。
美味しそうな身に仕上がりました。
アンコウの七つ道具とは?捨てる部位は歯のある口だけしかない?
全て部位ごとに捌き終えた状態です。
右端にあるのが「海のフォアグラ」とも言われる肝で「あん肝」の原材料になります。
「アンコウの七つ道具」
- 身
- 肝
- 胃(水袋)
- 卵巣(布)
- 鰓(えら)
- 鰭(ひれ)
- 皮
肝は血管や筋を包丁で切り取り、海水程度の氷塩水に30分ほど浸して血抜きしておきます。
肝以外の部位は、ヌメリや臭み汚れを取るために、塩と日本酒を加えた熱湯で軽く湯引きしてから洗って綺麗にしてください。
美味しく食べるために、それぞれの部位の下処理が大事です。
「どぶ汁の作り方」
- 肝を乾煎りして火を通す
- 味噌と少量の日本酒を入れて出汁を作る
- アンコウを入れて火を通す
- お好みの野菜を入れて火が通れば出来上がり
水は加えなくて、アンコウや野菜から出てくる水分だけで作るため濃厚な味わいに仕上がります。
見た目が濁っている事から「どぶ汁」と言われていますが、食べてみると見た目とは違って絶品です。
アンコウの七つ道具は、それぞれ味や食感も違いも楽しめるので飽きません。
最後は、旨味が含まれた出汁で雑炊にして〆にするのも良いでしょう。
丸ごと一匹を購入しないと作れないかもしれませんが、鮮度の良い物が手に入った場合は試してみてください。