天ぷらをカラッと揚げるには、
薄力小麦粉、卵と水を冷蔵庫で冷やしておくのも大事ですが・・・
銅や砲金に鉄鍋など、
揚げ鍋、天ぷら鍋の素材も同じくらい大事です!
もちろん、
素材の鮮度も欠かせません。
愛用している揚げ鍋、天ぷら鍋を紹介します。
左上にあるのが、
銅と錫と亜鉛から造られる合金である砲金(ガンメタ)を鋳物で造った砲金鍋です。
右上にあるのが、
今回紹介する岩手県久慈市の砂鉄から造られた鋳物の砂鉄鍋です。
(生産終了)
手前にあるのは、
浅草にある銅銀銅器店の星野保さんが造った本手打ちの天ぷら鍋です。
ということで、
砂鉄鍋の特徴と魅力を・・・
分厚く無骨な鉄の塊のような鍋です。
金属マニアにも堪らない!?
名刀正宗は久慈砂鉄から造られている!?
砂鉄の産地は数々ありますが・・・
岩手県久慈市は砂鉄の産地であり、
古くから「たたら吹き」で良質な砂鉄の粒砂鉄から鉄を精錬してきました。
その、
精錬された久慈の粒砂鉄から造られた鉄が名刀正宗の素材だとも言われています。
鉄ならではの「いぶし銀」の輝き!
現在の鋳物の多くは外側だけでなく、
内側もサビ防止のため塗料を焼付け塗装(食品衛生法に適合した無害の塗料)してあります。
この砂鉄鍋に関しては、
研磨して無垢の鉄がむき出しになっている状態です。
縁の厚みが7ミリあり分厚い!
一応、注ぎ口もありますが、
浅いので注ぎにくいのが難点な所、
御愛嬌ということで納得しています。
縁は整形のために削られているので7ミリの厚みでしたが、
側面や底の部分の厚みは1センチあります。
この厚みが大事なのです!
東京赤坂「花むら」の天ぷら鍋は砂鉄鍋!?
東京赤坂の名店「花むら」で使われている天ぷら鍋は砂鉄鍋!?
「天ぷらの奥義」の著者であり、
初代お座敷天ぷら「花むら」川部幸吉(川部米夫)さんが考案した鍋が砂鉄鍋だからです。
分厚いので蓄熱量も半端なく、
食材を入れても温度が下がりにくいためカラッと揚がります。
裏側の底部分も鋳物の質感といい無骨な仕上がりです。
わかりにくいのですが、
久慈砂鉄「山王堂」とあります。
天ぷら鍋以外にも、
すき焼き鍋を製造されている「山王堂」さんですが・・・
現在、山王堂さんは廃業しているために入手困難な品となり残念です。
それでは、
一通り紹介したので「かき揚げ」を作ってみました。
たっぷりの油を注いで・・・
油の温度が下がりやすい「かき揚げ」を・・・
油の温度が下がると衣が油を吸って油っぽくサクッと仕上がりません。
そして、
砂鉄鍋で作った出来たての野菜かき揚げに岩塩をパラッとしてビールで流す!
しかし、
かき揚げは難しい・・・
後は練習あるのみです。