魚を捌く時に必要となる道具といえば、
主役は何と言っても包丁になると思いますが・・・
骨抜きも無いと非常に困る道具で必需品です!
骨を抜いたり、
皮を挟んで剥いだり、
ササラのように血合いを掻き取ったりと活躍します。
関西型の骨抜きは、
くの字の形状をしており、
関東型の骨抜きは、
毛抜きが大きくなったような形状です。
ということで、
機械で造られた大量生産の骨抜きと、
職人が手打ちで造る伝統工芸の骨抜きを紹介していきます。
「満峰の毛抜き」と「本手打ちの骨抜き」の関係!?
上にあるのが、
機械で造られた大量生産の骨抜きで・・・
下にあるのが、
職人が造った本手打ちの骨抜きです。
ここで、
和風総本家を見ている人なら既に感付いているかも知れませんが、
ハリウッド女優も御用達で世界的に認められた倉田満夫「満峰」(まんぽう)の毛抜きではないのかと!?
倉田製作所の二代目が福太郎さんで、御子息の三代目が倉田義之さん、
技術を継承している四代目が倉田聖史さんです。
倉田満夫(満峰)さんは、
二代目の福太郎さんの妹の御子息ということなので従兄弟の関係です。
私が購入した骨抜きは、
倉田製作所の三代目である倉田義之さんのものです。
内側に銘が彫られています。
それでは、
機械で造られた大量生産の骨抜きと、
職人が金槌で叩いて造る本手打ち骨抜きの差を見てください。
小骨の抜き方と疲れない骨抜き!?
根本の部分の拡大写真です。
左側が職人のもので、
右側が機械のものですが違いがありますよね!?
機械のものは厚みが均一で無理やり曲げたような仕上がり、
職人のものは金槌で叩いてから伸ばして曲げているので、厚みが均一ではなくバネのような弾力が生まれます。
開く時には軽く開き、
閉じる時には軽い力で挟む事ができるのです!
実際に使ってみるとわかりますが、
半分以下の力で使うことができるので疲れません。
先端を見ていきましょう。
左側にあるのが機械で作られたもの、
右側にあるのが職人が造ったものです。
更に拡大して見てみると・・・
機械で作られたものは、
仕上げが荒く微妙な隙間がありますが・・・
職人が造ったものはというと、
丁寧な仕上げで僅かな隙間もありません。
毛抜きや骨抜きは、
挟む際に先端が大事な道具ですから大事なポイントですよね!
道具は使ってみないと良し悪しがわからない・・・
アジの小骨を職人が造る本手打ちの骨抜きで抜いていきます。
鯵の小骨を抜くついでに、
鯵の「なめろう」を造りました。
呑兵衛には堪らない逸品!
小骨は身の上部だけでなく、
先端の断面からあります。
そして、
抜く方向は常に頭部の方に向かって引っ張ってください。
小骨を逆の尾に向かって引っ張ると、
抜きにくく、身に負担がかかり身割れしてしまいます。
頭の方から尾に向かって順に抜いていきます。
尾の方に小骨はありませんが、
指の腹でなぞってみると取り残している箇所がわかりますので、
丁寧に全て取り除いてください。
安全のためにも、
美味しく食べるためにも!
小骨を取り除けば、
血合いを切り取って背と腹に分ける必要もありません。
小さめの魚でも、
大きい切り身にする事ができます。
アジの刺身、
アジのたたき、
アジのなめろう、
〆サバだけでなく〆アジも、
アジフライには欠かせない骨抜き・・・
コレで、
美味しく食べられるのです!